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2014年03月24日

「労働災害補償保険(労災保険)」とは?

社会保険には公的医療保険や年金などさまざまな種類がありますが、そのなかでも労災保険は、社員やパート・アルバイトなどの労働者を守る重要な社会保険です。ここでは、労災保険の仕組みや対象者、保険料などの基本的な仕組みについて紹介します。

労働災害補償保険(労災保険)とは?

労災保険は、正式には労働者災害補償保険といいます。健康保険や厚生年金保険、介護保険や雇用保険と同じ社会保険制度の1つで、雇用契約によって働いている人が仕事中や通勤中に病気やケガをしたり死亡したりした場合の補償を行う保険制度で、医療費のサポートや生活保障などのサポートが行われます。

労働災害補償保険の仕組みとは?

労働災害補償保険の給付事由は、業務中や通勤中のケガや病気、死亡などとされていて、給付は原則として労働者本人、本人死亡時には遺族に行われます。特に業務災害に関しては、労働基準法において業務中の災害に関係する補償は全額事業主が負担することが定められています。そのため、労働者が業務災害で病院に行った場合などは健康保険と違い、自己負担は一切必要ありません。また、給付の種類によっては、労災適用中に離職したとしても給付が継続されることになっています。

通勤災害は、労働基準法では特に定めておらず、自己負担がありますが、少額になります。業務災害による給付は「~補償給付」というように「補償」という言葉が入りますが、通勤災害の場合は補償という言葉は入らず単に「~給付」となります。この違いの理由は、労働基準法による補償義務があるかないかの違いになっています。

すべての労働者が加入対象となる

労働者災害補償保険の加入対象者は、原則としてすべての労働者とされています。労災保険以外の社会保険の場合は、被保険者となるための要件として労働時間が一定以上になることなどの定めがありますが、労災保険は雇用契約があって働いていれば対象となります。労働時間が短かったとしても業務中や通勤中にケガをする可能性はありますから、当然といえるでしょう。そのため、正社員だけでなくパートやアルバイトも対象になります。バイトをする場合は、仕事中や通勤中のケガや病気は労災保険の補償が受けられることをしっかり理解しておきましょう。

また、会社役員など「雇う側は原則としては労災の対象になりませんが、一定の要件を満たすと特別加入が認められます。個人タクシーの運転手さんなどは事故などのリスクが比較的高い業務を行っていますが、本人は経営者であり労働者という位置づけになりますので、1人親方といわれる特別加入制度での加入が可能です。

労災保険に加入していない事業所が稀にありますが、その事業所で労災事故があった場合にも、被災労働者は労災保険の給付を受けられます。未加入であることが、その被災した労働者の責任ではないからです。その場合、加入すべき期間の労働保険料を遡って支払う義務が事業主に課せられ、給付額の一部または全部を事業主が負担することになります。

保険料はすべて事業主が負担する

労災保険は、正社員だけでなくアルバイトもパートも原則としてすべて被保険者となるため、その他の社会保険のように労働者による保険料の負担が発生するのではと考える人もいるでしょう。しかし、労災保険の保険料は、労働者が負担することは一切なく、すべて事業主が負担することになっています。これは給付時の自己負担がないことと同じ理由で、労働基準法が事業主に対してすべての負担を求めているからです。そのため、労災保険の保険料はすべて事業主である会社などが負担をすることになっています。

労災保険の保険料は、その会社の事業がどの程度業務上のリスクがあるかを考慮して決まっていて、それぞれ業種別に保険料率が定められています。そうすることで、保険料と労災事故による給付金の支払いの均衡を保っています。社会保険制度上は健康保険と労災保険の収支は明確に区分されていますので、労災の場合に健康保険を使って治療するといったことは認められていない点はよく理解しておきましょう。

どんな時に支払われるの?

労災保険の給付対象となる災害は2つに大別されます。1つは業務災害、もう1つは通勤災害です。

①業務災害

業務災害とは、業務中のケガや病気が対象で、会社の管理下の中での災害かどうかの業務遂行性と災害と仕事に関係があるかどうかの業務起因性の2つが満たされると業務災害と認定され給付が行われます。身体的な外傷などだけでなく、過労による精神疾患なども労災認定の対象となります。

②通勤災害

通勤災害とは、通勤中の病気やケガなどの災害です。通勤災害のポイントは、どこからどこまでが通勤かという点にあります。通勤ルートについては、合理的な範囲であれば会社に届出しているルート以外でも認められるとされています。また、通勤ルートから外れると外れたあとは原則として通勤災害の対象外となります。ただし、選挙や通院、買い物そしてお迎えなど日常生活の一環として一時的にルートを外れる場合は、通勤ルートに戻ったあとは通勤災害の対象となります。

まとめ

労災保険は、仕事中や通勤中のケガや病気などに対して手厚くサポートしてくれる社会保険です。労災保険の存在があるため、正社員だけでなくパートやアルバイトも安心して仕事に集中できる環境になります。労災保険の保険料は労働者が負担することはなく、すべて事業者が負担することになっていますので、労災保険の恩恵を受ける権利があることを認識できていない人もいるかもしれません。しかし、いざというときには頼りになる社会保険制度ですので、制度の概要はしっかり理解しておくといいでしょう。

記事監修:平松 徹

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